大学受験生を持つ親の心得・体験談-受験期の子どもとの接し方

大学受験生を持つ保護者、家族、親の心得や子供との接し方、アドバイスなど、実際に体験されたかたの体験談を集めました。

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滅多に味わえない経験

【自己紹介】

三人の子どもを持つ親です。上二人は女の子。一番下が男の子です。娘二人は既に大学を卒業し、就職しています。末っ子はまだ高校生。今年三年生なので、受験する予定です。


【志望大学を決めるとき家族で話合いはしましたか。】

上の娘は、自分でオープンキャンパスに行き、志望校を決めてきました。高校二年生の夏だったと思います。家族としては、特に反対する理由もなく、女の子ですし、自分が望むところであれば、どこでもいいと思っていたので、賛成しました。ただ、通学に時間がかかりそうなので、他の大学も併せて考えるように言いました。
下の娘は、自分のやりたいこと、行きたい大学など、あまり明確な目標もなく、学部でさえも迷って決められない状態だったので、こんな学部はどうかと提案しました。
結局学部は、勧めた通りの経営学部を受けることに決めました。大学は姉と相談して、あまり無理せず受かりそうなところを見つけてきました。
上は、理想を追い求めるタイプ、下は、無理したくない妥協を良しとするタイプです。

【大学や受験制度についてどの程度知っていましたか。またどのように情報収集しましたか。】

姉は私立の高校に通っていたので、学校主催の進路相談会などがあり、そこでいろいろな情報を得ました。学内でどれくらいの成績を取っていれば、この辺りの大学に受かると、詳細なデータがもらえましたので、役に立ちました。
ただ、受験はあくまでもぶっつけ本番のところがありますので、不安感は消えませんでした。上の娘は、やはり初めてのことで、自分たちの受験事情とは、全く違っていましたので、なんでこんなややこしいことになってしまったのかと、戸惑ってばかりでした。
沢山の大学、学部を何通りものやり方で受験できることは、受験生にはメリットなのかもしれませんが、入りやすくなったはずの大学までの道のりは、本当に遠いものでした。
もちろん、実力が無かったと言えばそれまでですが。

下の娘は、姉の経験を生かし、推薦で秋の初めに決まっていました。こんな簡単でいいものかと、有難いけれど、それはそれで疑問に感じたのを覚えています。


【受験をする際に、予備校や塾、模試、通信教材、家庭教師などは利用されましたか。 利用した場合、どのように選んで、決めましたか。】

私自身が、高校生はもう半分大人であり、受験も自分の力で乗り越えてこそ価値があると思っていましたので、塾などはあまり肯定する気持ちがありませんでした。
上の娘は、授業が遅くまであり、時間的にも余裕が無かったので、行こうと思っても無理だったと思います。
下の娘も、マイペースで勉強し、高校の中ではそこそこの成績を取っていましたので、全く塾には行っていませんでした。


【大学受験する際の予算はどのくらいでしたか。】

上の娘は、センター利用を含めて、4~5校受けたと思います。学部も多岐に渡り、10学部以上受験したのではないでしょうか。
大体、受験料だけで、30万位かかったと思います。それに加えて、受験の際に2泊3日で、ホテルに宿泊しました。
それも3~4万かかりました。
おまけに、滑り止めで受けて合格した大学に、入学金30万を納めました。
下の娘は、同じ大学、学部を2回受けただけなので、7万円です。


【親として嬉しかったこと・辛かったことを教えてください。】

上の娘に関しては、辛かったことが幾度もありました。やはり、不合格を知らされる時が、一番辛かったです。
真面目に勉強する子で、高校時代も勉強ばかりでした。
休みの日もほとんど出かけず、図書館ばかり行っていました。それでも、受験の日に実力が発揮できなければ、あっさり不合格です。そのたびに、泣いてばかりでした。
そんな風にくよくよと心配ばかりしてしまうタイプなので、なかなか実力を発揮できなかったのでしょうね。
親としては、「大丈夫。大丈夫。」と励ますのですが、泣いてる子どもを見ると、本当は一緒に泣きたいのです。
その心を隠して、明るく振る舞うのが、とても辛かったです。
それでも、一緒に落ち込む訳にはいかないし、次はどうする、この大学はどうかと、先に進む道を示してやらねばなりません。
夜眠れないという子どもに付き合って、くだらない話をしたり、時には真面目に自分の体験を話したり、その子の心に寄り添いながら、なんとか言葉を探すのに必死でした。
ようやく、最後のチャンスで志望校に合格した時は、嬉しかったですが、もう自分もくたくたで、空っぽになった気分でした。
子どもには、お母さんは無反応だと思われたかもしれませんが、それほどくたびれてしまっていたのです。
今思えば、関わり過ぎですね。過干渉と言われても仕方ありませんが、初めての子というのは、どうしてもそうなってしまうのでしょう。
下の娘の時は、特に辛いこともなかったので、特に感慨もありませんでした。「おめでとう~良かったね」で終わりでした。


【これから大学受験を迎えるお子さんをもつ方へのアドバイスをお願いします。】

子どものタイプで、全然変わってくると思います。何も言わずに、自分のことを着々とする子や、あれこれ頼ってくる子やら、その子のタイプに合わせて、柔軟に対応していくしかないでしょうね。
自分にとって楽な子であるか、そうでないかということは、あまり考えない方がいいと思います。
よそのお子さんを見て、「あんな子だったらいいのに」とか思っても、何の益にもなりません。
自分が苦しくなるだけです。
また、自分と比べることも無益です。時代も違います。今の子たちは、甘えているように見えるかも知れませんが、与えられている試練も、また違うのです。
過ぎたから言えることですが、一緒に苦しんで、悩んだことも、私にとっては大切な思い出です。
大学受験は、滅多に味わえない経験と、覚悟して突き進むのみだと思います。

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